What's New

The Insulated World

完全生産限定盤

3枚組(Blu-spec CD2*+特典CD+特典Blu-ray) SFCD-0229〜231 ¥9,000 (tax out)
3枚組(Blu-spec CD2*+特典CD+特典DVD) SFCD-0232〜234 ¥8,000 (tax out)
※29th SINGLE『人間を被る』【完全生産限定盤】との連動特典専用応募ハガキ封入

Manufactured by FIREWALL DIV.
Distributed by Sony Music Marketing Inc.

初回生産限定盤

2枚組(CD+特典CD) SFCD-0235〜236 ¥3,400 (tax out)

Manufactured by FIREWALL DIV.
Distributed by Sony Music Marketing Inc.

通常盤

(CDのみ) SFCD-0237 ¥3,000 (tax out)

Manufactured by FIREWALL DIV.
Distributed by Sony Music Marketing Inc.

収録内容

3形態共通

DISC 1 : Blu-spec CD2(完全生産限定盤のみ) or CD

01. 軽蔑と始まり
02. Devote My Life
03. 人間を被る
04. Celebrate Empty Howls
05. 詩踏み
06. Rubbish Heap
07. 赫
08. Values of Madness
09. Downfall
10. Followers
11. 谿壑の欲
12. 絶縁体
13. Ranunculus
完全生産限定盤

DISC 2 : CD

01. 鬼眼
02. THE DEEPER VILENESS
03. 理由
04. 腐海 [LIVE]
   *Live Take at SHINKIBA STUDIO COAST on June 30, 2018
05. Ash [LIVE]
   *Live Take at SHINKIBA STUDIO COAST on June 30, 2018
06. Beautiful Dirt [LIVE]
   *Live Take at SHINKIBA STUDIO COAST on June 30, 2018

DISC 3 : Blu-ray or DVD

・MUSIC CLIP
 Ranunculus (Promotion Edit Ver.)
・LIVE FOOTAGE  TOUR18 真世界  2018.4.28 仙台銀行ホール イズミティ21
 01. DIFFERENT SENSE
 02. 鴉
 03. DISABLED COMPLEXES
 04. 霧と繭  TOUR18 真世界  2018.6.30 新木場STUDIO COAST (追加公演)
 01. VINUSHKA
 02. audience KILLER LOOP
 03. REPETITION OF HATRED
 04. Behind a vacant image
・BEHIND THE SCENES OF The Insulated World
初回生産限定盤

DISC 2 : CD

01. 鬼眼
02. 腐海 [LIVE]
   *Live Take at SHINKIBA STUDIO COAST on June 30, 2018
03. Beautiful Dirt [LIVE]
   *Live Take at SHINKIBA STUDIO COAST on June 30, 2018

※収録内容、タイトル表記及び仕様等は変更になる可能性がございます。
※完全生産限定盤・初回生産限定盤は、生産数量限定商品となります。確実にお買い求めいただくには、2018年8月10日(金)までにお取扱い店舗にてご予約くださいませ。

* Blu-spec CD2 (ブルースペックCD2)とは:
Blu-ray Disc製造技術のすべてをCD製造に投入することによって、より一層原音に忠実な高品質を実現させるCD。完全生産限定盤に収録される『Blu-spec CD2』は、お手持ちのCDプレーヤーでの再生が可能です。
公式サイト:http://www.blu-speccd2.jp

発売記念LIVE&購入者対象最速先行抽選受付

DIR EN GREY全国TOUR “TOUR19 The Insulated World”のうち、最新アルバム『The Insulated World』発売記念LIVEとなる2019年3月20日(水)Zepp Tokyo公演におきまして、本作品の完全生産限定盤、初回生産限定盤、および通常盤(初回プレス分のみ)をご購入いただいた方を対象にしたチケット最速先行抽選受付を実施することが決定致しました。
受付方法は、10th ALBUM『The Insulated World』に封入されているチラシをご確認ください。

TOUR19 The Insulated World
2019年3月20日(水)【東京都】Zepp Tokyo
[開場/開演] 18:15/19:00
[対象席種] 1Fスタンディング
[チケット料金] ¥6,500(税別)
[問] NEXTROAD 03-5114-7444 (平日14:00~18:00)

<チケット受付スケジュール>
■NEW ALBUM購入者対象最速先行抽選受付
[受付期間] 2018/9/26(水)12:00~2018/10/8(月・祝)23:59
[席種・チケット料金] 1Fスタンディング ¥6,500(税別)
[詳細] https://ticket-every.jp/tall2/theinsulatedworld191-01cd

※10th ALBUM『The Insulated World』に封入されているシリアルナンバー1つにつき、1回お申し込み頂けます。
※シリアルナンバーの第三者への譲渡、転売、貸与等これらに類する行為は禁止致します。また、シリアルナンバーのSNSやWebサイト等への掲載も禁止致します。

予約店舗特典

対象:【完全生産限定盤】(SFCD-0229〜231 / SFCD-0232〜234)、【初回生産限定盤】(SFCD-0235〜236)、【通常盤】(SFCD-0237)のいずれかをご予約いただいた方
※特典は数に限りがございますので、なくなり次第終了となります。
※特典の有無に関するお問合せは直接店舗へご確認ください。
※Amazonでご予約のお客様は、特典の有無で商品ページ(URL)が異なる場合がございますので、十分にご注意ください。

連動購入特典

■賞品
京賞:Tシャツ (京考案・デザイン監修) 50名様
薫賞:薫作イラストステッカー (薫考案・デザイン監修) 300名様
Die賞:ヘアブラシ (Die考案・デザイン監修) 20名様
Toshiya賞:ウェットティッシュ (Toshiya考案・デザイン監修) 300名様
Shinya賞:ラバーキーホルダー (Shinya考案・デザイン監修) 300名様
※当選者数は後日発表致します。
※詳細は『The Insulated World』【完全生産限定盤】に封入されている専用ハガキをご確認ください。

■対象商品
・29th SINGLE『人間を被る』
【完全生産限定盤】
CD+Blu-ray SFCD-0222〜223 ¥5,500 (tax out)
CD+DVD SFCD-0224〜225 ¥4,500 (tax out)

・10th ALBUM『The Insulated World』
【完全生産限定盤】
3枚組(Blu-spec CD2+特典CD+特典Blu-ray) SFCD-0229〜231 ¥9,000 (tax out)
3枚組(Blu-spec CD2+特典CD+特典DVD) SFCD-0232〜234 ¥8,000 (tax out)

■応募方法
(1)ALBUM『The Insulated World』【完全生産限定盤】に封入されている専用ハガキにて応募方法をご確認ください。
(2)専用ハガキに、SINGLE『人間を被る』【完全生産限定盤】に封入されております応募券1枚を貼付し、期間内にご応募ください。

■応募期間
2018年10月31日(水)消印有効

※連動特典対象商品は、生産数量限定商品となります。確実にお買い求めいただくには、2018年8月10日(金)までにお取扱い店舗にてご予約くださいませ。

早期予約特典

対象:2018年8月10日(金)までに【完全生産限定盤】(SFCD-0229〜231 / SFCD-0232〜234)をご予約いただいた方
特典内容:トークイベント参加抽選応募券
※開催地は発売日以降の全国5都市を予定しております。
※特典の有無に関するお問合せは直接店舗へご確認ください。
※【初回生産限定盤】と【通常盤】は早期予約特典対象外となりますので予めご了承ください。

インストアイベント

2018年9月26日発売の最新アルバム『The Insulated World』発売を記念して、全国8箇所にて『The Insulated World』【完全生産限定盤】([特典Blu-ray] SFCD-0229〜231 / [特典DVD] SFCD-0232〜234)をご予約頂きました方を対象とする予約会・インストアイベントを開催することが決定致しました。イベントはDIR EN GREYよりメンバー1名の参加となります。

◆予約会
2018年8月13日(月) 【宮城県】HMV仙台 E BeanS
2018年8月27日(月) 【福岡県】タワーレコード福岡パルコ店
2018年8月29日(水) 【京都府】タワーレコード京都店
2018年9月1日(土) 【大阪府】HMVグランフロント大阪
2018年9月6日(木) 【新潟県】タワーレコード新潟店
2018年9月9日(日) 【神奈川県】タワーレコード川崎店
2018年9月16日(日) 【愛知県】タワーレコード名古屋パルコ店

◆インストアイベント
2018年9月25日(火) 【東京都】タワーレコード新宿店

イベント詳細はコチラ
※イベントに関するお問合せは、直接対象店舗へご確認ください。
※都合によりイベントの内容変更や中止がある場合がございます。予めご了承ください。
※イベント当日の会場では、メンバーへのプレゼントは一切お受け取りできません。予めご了承ください。但し、お手紙に関しては専用のボックスをご用意させていただきますので、そちらをご利用ください。
※本インストアイベントに関するお問合せは、OFFICIAL FAN CLUB 「a knot」、DIR EN GREY ONLINE及び当サイトでは受け付けておりません。

【対象商品】
完全生産限定盤 3枚組(Blu-spec CD2+特典CD+特典Blu-ray) SFCD-0229〜231 ¥9,000 (tax out)
完全生産限定盤 3枚組(Blu-spec CD2+特典CD+特典DVD) SFCD-0232〜234 ¥8,000 (tax out)
※初回生産限定盤(SFCD-0235〜236)と通常盤(SFCD-0237)は対象外になります。

【参加方法】
上記対象店舗にて2018年9月26日発売のNEW ALBUM『The Insulated World』【完全生産限定盤】([特典Blu-ray] SFCD-0229〜231 / [特典DVD] SFCD-0232〜234)いずれか一点を対象店舗にて全額前金にてご予約いただいた方に先着で、整理番号付きイベント参加券を配布致します。
イベント当日、整理番号付きイベント参加券をお持ちいただいた方は、整理番号順にイベントにご参加いただけます。
※整理番号付きイベント参加券に記載されている整理番号はランダム配布となります。
※整理番号付きイベント参加券をお持ちのお客様は、イベント当日、参加券に記載されている時刻に所定の場所にお集まりください。

【商品お渡し方法】
前金ご予約いただいた商品は、店頭での受け取り・発送のどちらかをお選びいただけます。
<店舗受け取りの場合>
前金ご予約いただいた商品は、店頭でのお渡しとなります。
商品のお取り置き期間は、入荷日から4週間(2018年9月25日(火)夕方頃入荷~10月22日(月)閉店)までとなります。
商品のお取り置き期間終了を以って予約はキャンセルとみなし、商品のお渡しはできなくなりますのでご注意ください。
<発送の場合>
前金ご予約いただいた商品は、予約用紙へご記入いただいた指定場所への発送とさせていただきます。
別途、予約用紙に記載のある送料が必要となります。受付が複数回になる場合、送料は都度必要になります。
商品は発売日より順次発送させていただきます。

【イベント参加に際しての諸注意事項】
・初回生産限定盤(SFCD-0235〜236)と通常盤(SFCD-237)はイベント対象外になります。
・イベント参加券に記載されている整理番号はランダム配布となります。
・予約受付開始前のご予約はイベント参加券の対象となりませんので予めご了承ください。
・サインの他に日付やお名前等をいれることはできません。サインのみとなりますので予めご了承ください。
・対象商品のご予約、ご購入後の返品・返金は不良品以外、お受け付けいたしませんのでご了承ください。
・イベント参加券配布時及びイベント当日の会場周辺での座り込み集会、徹夜等は禁止とさせていただきます。
・ライブなどのパフォーマンスはございません。
・イベント参加券は1会計につき1枚までの配布となります。同時に複数枚ご購入いただいた場合も1枚までの配布となります。
・イベント参加券は1枚につき、1回限り、1名様のみ有効とさせていただきます。
・イベント参加券の配布は、上記対象店舗にて全額前金予約されたお客様に先着でお渡し致します。
・イベント参加券の配布は規定枚数に達し次第、終了とさせていただきます。
・小学生以上のお子様がイベントに参加される場合は、イベント参加券が必要となります。
・1度使用された時点で、イベント参加券は回収させていただきます。
・イベント当日はイベント参加券を必ずお持ちください。忘れた場合はイベントにご参加いただけません。
・イベント参加券の再発行はいかなる場合においても行いません。紛失等にはご注意ください。
・イベント参加券は記載のイベント当日のみ有効となります。
・録音録画機材による写真撮影、動画撮影、録音行為、及び店内での飲食は一切禁止とさせていただきます。
・当日の事故・混乱防止のため、イベントでは様々な制限を設けさせていただくことがございます。
・参加券配布時及びイベント当日はスタッフの誘導、指示に従うようお願い致します。スタッフの誘導、指示に従っていただけないお客様がいらっしゃった場合はイベントへのご参加をお断りさせていただきます。最悪の場合、イベント自体を中止することもございますのでご協力をお願い致します。
・イベント会場での喫煙、飲食、飲酒は禁止です。また飲酒をしてからのイベント参加も禁止です。
・諸事情により、イベント内容等の変更・イベント中止となる場合がございますので予めご了承ください。
・運営の妨げとなる行為をされますと会場より退場していただきます。最悪の場合、イベント自体を中止することもございます。
・イベント当日の会場では、メンバーへのプレゼントは一切お受け取りできません。予めご了承ください。但し、お手紙に関しては専用のボックスをご用意させていただきますので、そちらをご利用ください。
・当日は新聞・TVなどのマスコミ・メディアの取材・撮影が入り、お客様が映り込む可能性がございますので予めご了承ください。
・イベント会場にはロッカーやクロークがございません。また、イベント会場ではお荷物のお預かりはできません。手荷物の管理は自己責任にてお願い致します。
・キャリーバッグ等の大きいお荷物はイベント内容によっては、運営、進行に支障をきたす場合もございますので、持ち込み禁止とさせていただきます。事前に駅や周辺のコインロッカー等にお預けくださいますようご協力をお願い致します。
・館内での座り込みや営業店舗への迷惑行為などは固く禁止いたします。
・会場周辺での深夜・早朝の泊まり込みなどはご遠慮ください。

Review

 学校にも家にもどこにも居場所がなくて自分以外全ての物事に圧倒されそうな瞬間が発作的に巡ってくる。そんな日々を過ごしていた18の頃の自分がこのアルバムに出会っていたらたぶん今よりもう少しマトモな大人になっていただろう。自己嫌悪、アナーキズム、そして極端な悲観主義。自身に巣食う数多のマイナス要素を、この音楽はサンドバッグのように受け止めてくれるのだ。つまり18の自分にとってこれはきっと救いの音楽になっていたに違いない。獰猛で暴力的で破壊衝動に振り切った音楽を聴くことでどうにか平静を保っていたあの頃。そして今もなおロクでもない人間である自分にとってこのアルバムは、やはり救いの音楽として常に脳内を巡っている。

樋口靖幸/音楽と人編集部

 DIR EN GREYが創造する作品ゆえ、ついつい、思考回路もフル回転させ、また構えながら受け止めがちになる。しかし新作は、そうした聴き方は無駄。作り込んだ構築性ではなく、ここにあるのは剥き出しの生々しさ。だからこそ今のDIR EN GREYの特異性もメンバーそれぞれのセンスも、濃厚に溢れ出てくる。今まで培ってきたものがあってこそだが、しかし、過去に呪縛されることなく振り切った凄み。とてつもない緊張感も強いられる51分間。

長谷川幸信/ライター

 全曲、勢いのある曲のみ。
そして京は1曲めから「俺さえ死ねばいい」と、2曲めでは「生まれてきたことに後悔してんだ」と、3曲めでは「このまま眼が覚めなくてもいい」と、なんの衒いもなく歌い放つ。
真正面から直接表現のみでリスナーの心に挑みかかる。
まるで生まれたてのバンドが初期衝動を剥き出したようなアルバムだ。
だが、その音楽的な密度は濃く、深さは極められ、美しさは研ぎ澄まされ、すべてが孤高のレベルに到達している。
ロック・アルバムとして、今、これ以上のアルバムはどこにもないだろう。

山崎洋一郎/ロッキング・オン・ジャパン

 歴史的名盤『UROBOROS』を完成させて以降、DIR EN GREYは次なる独創性の形を模索し続けてきた。究極にまで作り上げた孤高のスタイルをいかに進化/深化させるのか。誤解を恐れずに言えば、そのつどの葛藤の結果が、『DUM SPIRO SPERO』や『ARCHE』には表現されていた。だからこそ、新作がどのような内容になるのかまったく想像できなかったが、ここに届けられた『The Insulated World』を耳にすると、その過渡期的歩みにも一つの区切りがついた印象を受ける。鍵となるのは、成熟も踏まえたプリミティヴな衝動の発露だろう。新たな時代が到来する前兆——そんな予感を覚えさせる。

土屋京輔/ライター

 とにもかくにもサウンドの解像度が圧倒的。激昂するギター・リフの行間にはっきりと存在するタッチ・ニュアンス、地底をうごめく超重低音ベースのアタック感……フィクショナルで深淵な世界観と“弦をハジく”という行為の生々しさをここまで高次元で同居させられるのは、今、海外ヘヴィ勢も含めて何組いるだろう? 楽曲のクオリティは言わずもがな、個の集合体を表現した“バンド作品”としてのレベルがもはや別次元。

河原賢一郎/ギター・マガジン編集部

 2007年辺りから、どんどん攻撃的に複雑に先鋭化するDIR EN GREYは恐ろしいほど格好良かった。その反動だった『ARCHE』の極端な美しさも良かった。『The Insulated World』はものすごく単純に言えば、実にストレートでキャッチーでパンクだ。「何度も聴かなければ全体像がつかめないから聴く」のではなく、「何回聴いても心地良いから何度も聴く」というタイプの音楽(それでいて薫とDieのギター・パートの細かい作り込みにも嘆息させられるのだが)。長い音楽的旅路を経て、この境地へ辿り着く彼らは本当に凄い。

坂東健太/ヤング・ギター編集部

 『The Insulated World』――フルスロットルで剥き出しのアグレッションを炸裂させる初っ端から、哀切と希望が滲む美しいラストまで、どんなスタイルであれ一貫して存在するのは胸を抉る激情だ。もはやこの辺りはバンドの体質なのだろう、進化を重ねつつも、初期から変わらぬ“それ”にずっと魅せられ続けている自分がいる。また、いかなる時も彼らの作品に注がれる熱量は尋常でないゆえ、対峙する際には襟を正さずにいられない、えも言われぬ緊張感が伴うのも醍醐味なのである。

早川洋介/ライター

 悲喜こもごもの感情を丹念に掬い上げ、激情に彩られたサウンドに仕上げているにも関わらず、その聴き心地は儚くて、尊くて、胸に抱きしめたくなるほど愛おしい。ストレートか、プログレッシヴかと問われたら、今作は間違いなく前者に値するだろうが、後者を包含したイキリ立つ攻めっぷりに興奮せずにはいられない。ずっと横っ面を殴られながら、腸に沁み入るようなヘヴィ・ミュージックを鳴らすのはDIR EN GREYだけだ。

荒金良介/ライター

 2014年に前作『ARCHE』をリリースしたあたりから、既発のアルバムをテーマにツアーを行ってきたDIR EN GREY。バンドの核を見つめ直しながらじっくりと制作に向き合ってきたのだろう。新作『The Insulated World』が届くまでには、ほぼ4年近い月日が流れていた。果たしてバンドはどんな進化を遂げたのか……。音源を再生すると、そこには鬼気迫る激烈サウンドに加え、神がかった“歌”が渦巻いていた。歌詩の中に多く登場する“生きる”というワードにも本能を揺さぶられたが、そもそも“生きる”ことは“痛み”を伴うもの。これまでも彼らは“痛み”をモチーフにしてきたが、曲に身を浸していると、“生きる”とは究極の痛みなのだと気づかされる。重厚なリズムと攻撃的なギター、そして唯一無二の霊力を持つ歌声で構成された楽曲達はもはや神々しい。醜くも美しい“生”を感じながら、ジワジワくる高揚感、緊張感を味わって聴いていただきたい。

海江敦士/ライター

 世の中にロック・バンドは数多くあるが、DIR EN GREYほど貪欲に進化と変化を重ねるバンドはなかなか見当たらない。それでいて、彼らのサウンドにはジャンルやスタイルを問わず、つねにDIR EN GREYらしさが確固として存在してきた。緻密に重ねられた音は、時に冷徹に時に熱情的にリスナーの感情を支配し、『The Insulated World』でもそこは揺らいでいない。そして、同時に新たな地平も切り開いている。DIR EN GREYには、どれだけの可能性が秘められているのだろうか……?

藤中健司/WeROCK編集部

 攻撃的なサウンドで幕を開けるバンド通算10枚目のアルバム。
楽曲を聴き進めていくにつれて、バンドが一貫して表現している“痛み”とその世界観に襲われていく。
そこには、終わりのない自問の闇の中で、かつて見たことの無い“生”への希望を抱かせてくれる新たなDIR EN GREYの姿があった。

加藤 智裕/激ロック

 DIR EN GREYの作品は聴くたびに鈍器で殴られているような衝撃と共に、パンドラの箱を開けているような感覚を覚える。好奇と畏怖がないまぜになったような。その感覚は今回のアルバム『The Insulated World』においてはより鮮烈なものだった。個人的にはラストを飾る「Ranunculus」が与えてくれるカタルシスによって、それまで抱いていた作品の印象が塗り替えられた驚きは筆舌に尽くしがたい。

M.N/音楽ナタリー編集部

 冒頭から、思考をすっ飛ばして衝動を突き動かす勢いに圧倒される。それでいて、置き去りにされる感覚は全くなく、むしろ、人間を魂までそぎ落としたような音と詩は、「生きている」自分に、パズルのピースみたいにぴったりと嵌った。
いつも彼らの作品には映画や小説のように解き明かす醍醐味を感じてきたが、今作は、もっと音楽そのものに真正面からぶつかりたくなる。ロックバンド・DIR EN GREYの本質が表れた傑作。

高橋美穂/ライター

 一分の隙も無い、とはまさにこのこと。極限まで研ぎ澄まされたサウンドが作品の隅々にまで満ちていて、再生と共に聴き手の心にあらゆる感情を渦巻かせる。度肝を抜く幕開けの「軽蔑と始まり」から、心揺さぶるラストの「Ranunculus」に至るまで、圧倒的な音の質量と密度、そしてあまりに強靭な意志とその美しさに、ただじっと耳を澄まし、心ゆくまでその世界に浸っていたい。そう思わされる極上の1枚です。

後藤るつ子/Vif編集部

 生きることへの絶望、怒り、悲しみなど、ありとあらゆる感情を揺さぶり、ラストの「Ranunculus」が重たい感情を昇華して一縷の希望を見出すまで。そしてまた一曲目に戻ることで「絶望」と「希望」を繰り返す『The Insulated World』は人生の縮図のよう。曲順を変えずに聞きたいと思うアルバムです。

川島淳子/CDでーた

 絶望の淵で背中を押されて奈落の底に落ち、なんとかして這い出そうと深い暗闇を彷徨い続けていたら、実はそこが脱出する必要のない、選ばれし者たちだけのための楽園だったことに気付かされた。『The Insulated World』はまさにそんな感触を伴ったアルバムだ。しかも瞬間風速の激憤を原動力としているようでありながら、そこには慈悲深い視点と彼らなりの成熟の形が見てとれる。まさしく唯一無二。この音楽の代用品は存在しない。正しいかどうかも疑わしい常識に縛られるくらいなら、信じられるものだけを心底信じ続けて、死ぬまで生きればいい。

増田勇一

 前作『ARCHE』からの約4年間に過去作を軸にしたツアーを経験し、結成20周年を迎えた。そんな経験が無意識のうちに影響したのかわからないが、この新作を聴くと“輪廻転生”という言葉が思い浮かぶ。第二のデビューアルバムと呼ぶにふさわしい衝動とみずみずしさと、20年以上におよぶ活動から裏打ちされた技術と表現力、説得力が絶妙なバランスで混在する。DIR EN GREYという唯一無二のバンドにしか作れない、非常に稀有なアルバムだ。

西廣智一

 アルバム『The Insulated World』は最高傑作だ。とはいえ、作品を出すごとに楽曲や歌詞を通して新世界を作り上げているDIR EN GREYにとってこの言葉はあまりにも陳腐に聞こえてしまうだろう。つねに最高だという自信があるからこうして形に残しているのだと一蹴されてしまいそうだが、敢えて言いたい。本作は間違いなく「最高傑作」であると。ヴィジュアルシーンの音楽を好むファンが熱狂していた時代から、今や一般の人や海外にもその名を知らしめるDIR EN GREY。それだけに、ロックを毛嫌いしている人にこそ聴いてほしい1枚になっている。

水谷エリ/ライター

 実を言うと、『UROBOROS』収録の「VINUSHKA」を聴いて以来、僕はDIR EN GREYのことをプログレバンドと認識するようになった。僕が10代の頃に好きだったプログレの感触というか肌触りとか体温みたいなものを感じられ、彼らの音楽を聴くと背筋がピンとするし、思わずじっと正座して聴き込みたくなってしまう。そして集中して聴いているうちに僕のことを宇宙のどこかに飛ばしてくれるのだが、今回の『The Insulated World』はそれを特に感じた作品でもある。中でも「Followers」「谿壑の欲」を経て「絶縁体」に突入したところで体が無重力状態になるような感覚に襲われ、そして「Ranunculus」で神様と出会ったかのような多幸感を味わう……この流れが僕には天国へと導かす組曲のように感じられ本当にヤバい。このアルバム、この曲順で、ぜひポンペイ遺跡で無観客ライブ演奏してほしいです!

吉田幸司/ROCK AND READ 編集長

 前作『ARCHE』で露わになったバンドの圧とパワー感が、よりシェイプされ、さらにタフになっていて、とんでもない衝撃を喰らわれた。聴き込むほどに蠢くように絡み合うそれぞれのパートに意識を持っていかれ、そのスリリングでドラマチックな音像の深みから抜け出せなくなる。とにかく、ラストを司る「Ranunculus」が圧倒的に圧巻!

石田博嗣/OKMusic/okmusic UP’s

 全13曲。これまでのDIR EN GREYとは明らかに違う感触もありながら、しかし確かにあの5人が作った音だと確信させる強烈なアイデンティティの表出。詰め込まれた音のひとつひとつはもちろん、ノイズ、無音に至るまで彼らの情念が注ぎ込まれた強烈な作品だ。不協和音ですら懐柔して美しく調和させる彼らのサウンドは鼓膜から脳内に染み渡ってゆき、全身の細胞を刺激する。結果何度もリピートしてしまう。病み付きとはまさにこのことである。

冨永弘/シンコーミュージック

 「The Insulated World」は、アルバムというアートの素晴らしさを再認識させてくれた。ここにこの順番で収められたことによってさらに光り輝く珠玉の13曲…。怒りと狂気と絶望に満ち溢れているところは、自分の人生とオーヴァーラップする。しかし、ただそれだけでなく、いつの日かそこから脱け出せるかもしれないという希望を抱かせてくれる。聴く度に胸が苦しくなり、涙が溢れそうになる。

前田岳彦/BURRN!

 「結成20年を越えてなお初期衝動を表現するかのような“ハードコア”な質感で畳み掛ける前半。旋律の力が強まり艶やかな耽美世界へと引き込む後半。曲順の妙もあり、聴くたびに新解釈が生まれてくる楽曲群だ。歌詩も演奏もこれまで以上にストレートでシンプルだが、それが“わかりやすさ”ではなく“深さ”を際立たせる。全13曲が相互に意味を持たせ合う、まさに“アルバム”として表現され、“アルバム”として聴かれる意義のある作品だ。

中村健吾/ベース・マガジン編集部

 彼らにしか知り得ない3年9ヶ月間にも及ぶ“孤独”な戦い。そんな“隔絶”された世界で描き出された“孤高”の存在感。コード/リズム/メロディー/詩といった、音楽を1つの作品たらしめる全ての要素が唯一無二でありながら決して排他的ではない。むしろ“自分もいつかこんな曲を書いてみたい”“こういう音を鳴らしてみたい”と、その背中を追い掛けたくなる1枚。バンドや楽器プレイヤーの根幹にある感情を奮い立たせてくれるアルバムです。

GiGS編集部

DIR EN GREY

「人間の弱さ、あさはかさ、エゴが原因で引き起こす現象により、人々が受ける様々な心の《痛み》を世に伝える」という意志の元、1997年に結成。
以来、グロテスクな事象、屈折した愛情表現、狂気的ライブが日本のインディーズシーンにおいて圧倒的な人気を博し、1999年にはインディーズ史上初となるシングル3枚同時リリースにて鮮烈なメジャーデビューを飾る。
2000年初頭より国外進出を果たしたことで、彼らの表現方法は、結成当時の主たる負の感情を内に秘め、もがき彷徨う事だけでなく、叫びを生み、より強いメッセージを帯びるようにと進化した。
脆く不安定だった初期から変革を遂げたDIR EN GREY。
彼らは今、明確な意志を、音楽という広がる事が使命であるツールに載せて発信している。

また、日本を始め世界各国で活動し、アルバム『UROBOROS』は世界17ヵ国で同時期発売され、米ビルボード誌のTop Heatseekersチャートでは1位を、Top Independent Albumsチャートで9位をそれぞれ記録。ライヴ活動も各国で積極的に行っており、南米を含む全米からヨーロッパ、アジア、オーストラリアまで計30カ国で公演を行っている。 京(Voice)、薫(Guitar)、Die(Guitar)、Toshiya(Bass)、Shinya(Drums)。

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